2017年4月、ownCloudはメジャーバージョンアップを行い、バージョン10.0.0がリリースされました。ownCloud 10.0.0の主な追加機能を紹介します。
ユーザー管理機能
- 管理者および、グループ管理者のみが利用できる機能として、ユーザーアカウントの利用を無効にする機能が追加されました。
個人フォルダ内のデータ移行機能
- 管理者のみが利用できる機能として、個々のアカウントが持つフォルダにアップロードされたファイルデータを、異なるアカウントが持つフォルダへ移行することが可能になりました。
- この機能追加により、退職されたユーザーが持っていたアカウントや、統廃合されたグループ管理者の持つデータ/フォルダを、現在有効に利用されているアカウントや、適切なアカウントへ移行することが可能になります。
図:通常のownCloudご利用イメージ。
ownCloudはアカウント毎にファイルをアップロードできるフォルダが作成されるため、
異なるアカウントが持つファイルデータへアクセスができず、フォルダの所有権もアカウント毎に持つ。
パスワードリセット機能追加
- メールアドレス情報でリセット
- パスワードのリセットする際、アカウント名だけでなく、ユーザーの設定情報に登録されているメールアドレス情報でリセットが可能になりました。
- リセット機能を無効化
- ownCloudはLDAP連携により、外部サーバーのユーザーログイン情報でログインが可能となります。しかしながら、ログイン情報をユーザー個人で自由に変更をさせたくない場合もあるのではないでしょうか。そんなサーバー管理者のための機能として、パスワードのリセット機能を無効化する設定機能が追加されました。
共有リンクにクリップボードボタンが追加
- ownCloudにアップロードされたファイルを共有する際の共有URLリンクにクリップボードボタンが追加され、よりユーザーインターフェースが効率的になりました。
その他の追加機能
上記の追加機能以外にも、ownCloudは世界中のユーザからの要望を受け入れ、下記のような様々な機能をリリースしました。
- 共有時に補完されるユーザーアカウントの横に、ユーザーが設定しているアイコンが表示されるようになりました。
- ownCloudの個人設定情報が変更された際には、登録しているメールアドレスに変更通知が贈られるようになりました。
- PHP 7.1の利用が可能となりました。
- ログデータを条件によって別のログデータファイルへと出し分けることが可能になりました。
- その他、多数。
ownCloudユースケース
利用シーン1 拠点間のファイル共有
本社の仮想サーバ内にownCloudサーバを構築し、必要なフォルダを拠点間に共有することが可能です。
それぞれの拠点からownCloudを経由して本社管理下のファイルサーバにアップロードしたり、拠点同士で情報共有などが行えます。
ユーザは各拠点内のownCloudサーバにアクセスするため、軽快なファイル操作が実現します。
利用シーン2 取引先との共有
例えば、期間限定のプロジェクトなど、会社間でファイルのやり取りが発生した場合、外部公開しているownCloudであれば、会社間でファイル共有をすることが可能です。
また、共有者は、個人のアカウントでも共有フォルダにパスワードと期限を設定できますので、安心したファイル共有が行えます。
もちろん、システム管理者側で、個人アカウントではファイルの再共有を制限するような設定も可能です。
利用シーン3 運用・管理の分散
ownCloudサーバを複数構築し、サーバ間共有機能を活用することにより、今までは本社の管理者で行っていた運用・管理を、分散することが出来ます。
数千人のユーザ一括管理を、拠点担当者に分散するということも可能です。